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雪の降り積もる天宮町。
冷え切った頬をさらに冷たい風が襲う。
そんな中、俺たち2人は走って学園を目指す。
天宮学園。何とか本鈴が鳴る前に教室に飛び込む俺。
息を整えつつ教室内を見渡す。
人数も少ない田舎の教室。
別に誰も俺を変な目で見る奴はいない。
いつものことだ、と。
たとえ遅刻して授業の途中で入ってこようとも。
またか、という空気で済まされる。
俺はそういう人間なのだ。
別に俺自身居心地が悪いわけではない。
それで誰かに迷惑をかけているわけでもない。
だからいつの間にかこの位置で落ち着いていた、というだけの話。
口数も少なけりゃ、暗くも見られているだろう。
それでいい。そんな事今はどうだっていいんだ。
今はそんな事、気にしてられないから…。
?「…これで今日は終わりだけど、来月は学年末試験があるから、そろそろ勉強しておきなよ。はい解散!」
悠「だるい…」
放課後。
授業という束縛から解放された俺は、すぐさま帰宅の用意をする。
とそこへ、担任と入れ替わりにとなりのクラスの芹也がやってきて、俺に声をかけてくる。
芹「よう、授業終わったか。今日は雪降ってるし、今から部活やるぞ」
悠「俺は忙しいんだ。勝手にやってろ」
芹「なんだよ、逃げるのかよ。男らしくねぇな」
悠「どうせまた俺が勝つんだ」
芹「いや、今日こそ勝たせてもらうぜ。リベンジだ」
◆◆◆◆人物◆◆◆◆
芹也(せりや)
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