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悠「…ったく」
結局強引に連れ出され、グラウンドの雪を踏む。
三「2人ともー、暗くなるから早く早く!」
悠「なんだって寒いのにこんな…」
芹「とか言いながら付き合ってくれてるじゃんかよ」
悠「三里を連れて帰らなきゃ、弥刀さんが心配するからな」
小さな学校の、小さなグラウンド。
多少の雪を凌げるその一角に俺たちは集まる。
そこでは三里も待機していた。
芹「勝負は3回だ。ただし時間は20分。時間内に決着がつかない時は、多く当てた方の勝ちだ」
悠「…了解」
今から始めるのは雪合戦。
ただの遊びかもしれないが、2人にとっては真剣な部活動。
とはいえ、学校公認の正式な部活動ではない。
俺たちが勝手に“雪合戦部”という名で、放課後に雪遊びをしているだけだ。
昔からこうやって3人で集まっては、季節に合わせて適当な部を作って遊んだものだ。
夏は海水浴。冬は雪合戦という具合に。
この学校はあまり裕福とはいえない。
田舎の小さな学校。さほどお金があるわけでもなく、使える空き教室も少ない。
俺たちは部じゃなくても良かった。結局のところ正式な部活動かどうかの違いというのは、設備が整っていて部費が多少出るか出ないかぐらい。
気ままな俺たちにそんなものは必要ない。
部活動としての場所も条件も、全て自然が用意してくれる。
だからそれで何も困る事はなかった。
三「せーの、始め!」
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