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時計店。
俺の気分とは反し煌びやかな店内。
ちょうど弥刀さんが店仕舞いをしているところだった。
弥「お帰りなさい。まあ…汚れてるわね。うふふ、また雪合戦?」
悠「ただいまです。そんなところです」
弥「コート出して。洗っておくわ」
悠「いえ大丈夫です、俺が自分で洗っておきます」
弥「遠慮しないで。私たちは悠紀くんに協力したいんだから」
悠「協力…。でも悪いですよ。居候させてもらってる身で、身の回りの世話までお願いするのは」
三「何言ってるの。私たちは悠紀のお世話をするって決めてここにいるんだよ。迷惑だなんて思わないよ」
弥「そう。だから気にしないで。悠紀くんは、今日のこのあとのことに集中して」
悠「2人とも…。ありがとう」
俺のために2人とも支えてくれてる。
心折れないように。俺が頑張れるように。
目的を。願いを、叶えるまで。…あの彼女に出会えるまで。
そんな俺を全力でサポートしてくれている三里と弥刀さん。
俺はいつまでたってもそんな2人に頭が上がらないのだ。
悠「…そろそろ行くよ」
三「うん。行ってらっしゃい」
夕食後。
一仕事終えた俺は、バッグに時計を詰めて出掛ける。
悠「寒い…」
夜の11:30。
向かうのは天宮学園。
予備のコートに身を包み、本日二度目の登校。
今日だけじゃない。
昨日も。一昨日も。
俺は半年以上前からほぼ毎日同じことを繰り返していた。
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