■プロローグ

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時計店。 俺の気分とは反し煌びやかな店内。 ちょうど弥刀さんが店仕舞いをしているところだった。 弥「お帰りなさい。まあ…汚れてるわね。うふふ、また雪合戦?」 悠「ただいまです。そんなところです」 弥「コート出して。洗っておくわ」 悠「いえ大丈夫です、俺が自分で洗っておきます」 弥「遠慮しないで。私たちは悠紀くんに協力したいんだから」 悠「協力…。でも悪いですよ。居候させてもらってる身で、身の回りの世話までお願いするのは」 三「何言ってるの。私たちは悠紀のお世話をするって決めてここにいるんだよ。迷惑だなんて思わないよ」 弥「そう。だから気にしないで。悠紀くんは、今日のこのあとのことに集中して」 悠「2人とも…。ありがとう」 俺のために2人とも支えてくれてる。 心折れないように。俺が頑張れるように。 目的を。願いを、叶えるまで。…あの彼女に出会えるまで。 そんな俺を全力でサポートしてくれている三里と弥刀さん。 俺はいつまでたってもそんな2人に頭が上がらないのだ。 悠「…そろそろ行くよ」 三「うん。行ってらっしゃい」 夕食後。 一仕事終えた俺は、バッグに時計を詰めて出掛ける。 悠「寒い…」 夜の11:30。 向かうのは天宮学園。 予備のコートに身を包み、本日二度目の登校。 今日だけじゃない。 昨日も。一昨日も。 俺は半年以上前からほぼ毎日同じことを繰り返していた。
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