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三階のギルドマスターのオフィス。
その扉の前にアルムとナバルは立った。そしてノックする。
返事があり、二人は部屋に入る。
中は、応接用のソファーとテーブルがあり、厚手の紺色の絨毯がしかれている。
更にその奥に、赤毛の若い女性が座っていた。
パッチリした瞳は前を向き、光魔法で投影された書類を幾つもみている。そして両手で魔力を込めたペンを持ち、何かを書いている。
アルムは此処で女性に話しかけた。
「マリア姉さん、報告に来ました」
「いまは仕事中。マスターと言いなさい。アルム、いや“最強”」
マリアは、柔らかい声だが厳しい口調でアルムに答えた。
その間にもペンは両方別の文字を書き込んでおり、魔力が込められたカードが右から左へと移動していく。
「さすがマリアちゃん。公私混同はしないか。素晴らしい」
「おだてても何も出ないわよ。“剣聖”」
ここで、マリアはアルムの方を向き、報告するよう促す。
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