35人が本棚に入れています
本棚に追加
太陽が天頂に輝く頃。雲一つない蒼天。大地は、生き物の死骸で埋め尽くされていた。
「なんと言うことだ」
男は絶望していた。終わりのない戦いに。男はギルドのハイランカー。Aランク。戦闘能力は高い。しかし、彼の鎧は傷ついていた。剣はもはや刃こぼれしており鈍器としての役にしか立たない。千人前後の味方も同じ状態た。
彼らの目の前には、ゴブリンの大群、いや、大軍が存在した。
ゴブリン自体は強くない。人ほどの大きさに、大きく膝まである手、赤い一つ目、膨らんだ腹に短い足。Cランクなら余裕で倒せる。
一匹なら。しかし、目の前には何千、いや何万匹といるのだ。
味方の魔法一斉射撃で何百匹と倒しても、あとからあとから湧いて出てくる。
さっきも攻撃魔法の一斉射撃を行った。何百匹も焼き尽くした。しかし、その後ろにはまだまだ湧いて出てくる。
ここで戦っている戦士たちも魔力は少なく、疲労もたまっている。
限界は近い。
王国軍とギルドの混成部隊。戦力としては優秀なのだが。
数には勝てない。
最初のコメントを投稿しよう!