いつもこうだからやっかいなんだ。

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太陽が天頂に輝く頃。雲一つない蒼天。大地は、生き物の死骸で埋め尽くされていた。 「なんと言うことだ」 男は絶望していた。終わりのない戦いに。男はギルドのハイランカー。Aランク。戦闘能力は高い。しかし、彼の鎧は傷ついていた。剣はもはや刃こぼれしており鈍器としての役にしか立たない。千人前後の味方も同じ状態た。 彼らの目の前には、ゴブリンの大群、いや、大軍が存在した。 ゴブリン自体は強くない。人ほどの大きさに、大きく膝まである手、赤い一つ目、膨らんだ腹に短い足。Cランクなら余裕で倒せる。 一匹なら。しかし、目の前には何千、いや何万匹といるのだ。 味方の魔法一斉射撃で何百匹と倒しても、あとからあとから湧いて出てくる。 さっきも攻撃魔法の一斉射撃を行った。何百匹も焼き尽くした。しかし、その後ろにはまだまだ湧いて出てくる。 ここで戦っている戦士たちも魔力は少なく、疲労もたまっている。 限界は近い。 王国軍とギルドの混成部隊。戦力としては優秀なのだが。 数には勝てない。
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