いつもこうだからやっかいなんだ。

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男は、魔法石が輝き念話が来た事に気づいた。意識を繋ぐ。二つ名で答えた。 「はい、こちら“豪腕”」 「バーン? まだ大丈夫? 」 「マスターか、まだもたせている。しかし、あと一~二回突撃を防ぐのがやっとだ。二十分が限界だ」 彼、“豪腕”バーンが念話している相手は、ギルド“千の耳”のマスター、“心眼”レイチェル。後方で指揮しているのだ。 「もうすぐ援軍を送るわ。待ってて」 「あんまり頼りにしないでまつ」 いくら援軍がきても、この数では勝てない。 「大丈夫よ。援軍はギルド“優しい剣”の“最強”よ。もうしばらく耐えて」 「もしかして、一人だけか?」 返事はなく、念話は切れた。 バーンは独り言を言う。 「バカな……いくらなんでも援軍一人なんて……たとえSランクでも焼石に水だ」 とはいえ、王国国軍が来るのには時間がかかる。 絶望にとらわれたバーン。しかし、それでも兵士やギルドのメンバーを鼓舞しようとした。 せめて、後ろの街の住人が逃げる時間稼ぎをしなければ。 その時、バーンの目の前の地面に魔法陣が現れ輝いた。 そして、一人の男が現れた。
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