魔王と勇者のいる日々・3

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「一生懸命、考えました。 魔王様の事、勇者様の事。 ロアや執事さん、魔女さんやジンさんの事、羊達の事。 それからお父さんやお母さんの事、ラゼリア村の事…… それであたし、二人に伝えたい言葉があったんだって、気づいたんです」 「余達に?」 リザが頷く。 「伝えなきゃいけない言葉です。 ちゃんと聞いてもらわないと、駄目な話です。 あたし……その話をしようと思って、覚悟も決めて、ここに来たんです。 ――でも」 ……『でも』? 「二人が戦っているのを見て…… 考えてきた事全部、どこかにいってしまいました」  
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