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『オマエ、アウラヲ知ッテイルカ。』
男の低い声が暗い路地に響く。
『アウラ?誰それw ここは、東京の秋葉原よ。そんな名前の人なんてどこにでもいるんじゃない?』
男から5mぐらい離れている場所で、髪を肩までのばしてどこかの制服を着ている少女は、笑っていった。が、男は表情を一つも変えることなく言った。
『トボケテモ無駄ダ。我ニハ分カル…。オマエガ天使ノ末裔ダトイウコトガ。』
すると少女は舌を鳴らして後ろに飛び、男とさらに距離をとった。警戒しながら、少女は言う。
『あんたこそ誰よ。吸血鬼?それとも死神?まぁー、私のこと知ってるんだったら、ただで帰すわけにはいかないけどね。』
少女の足元に複雑な金色の魔法陣が現れた。次の瞬間、陣が強く光った。少女は光に包まれ、再び姿を現した。そこには、純白の翼と左手に白銀のレイピアを持った少女がいた。
『いっとくけど、私かなり強いから…覚悟したほうがいいよ。』
と、少女は“ニコッ”っと笑って剣をかまえた。左足に力を加えて地をける。一瞬で男との距離をつめる。が、男は一歩も動かず、恐怖の表情もしていなかった。むしろ男の顔からは、不敵な笑みがこぼれていた。少女はかまわず男の左胸に突きを放つ。余裕を見せ、目をつむる。しかし、剣の刺さる感触がしなかったので急いで目を開けた。
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