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「そうか。なら手伝え」
俺は歪んだ笑みをクレールに向ける。
「はい、今日はどのようなお召し物になさいま…あっ」
クレールが話している最中に上着を脱ぐ動作を見せると、クレールは話を止めて慌てた様子で目を伏せた。
クレールの頬は、ほのかに赤く染まっている。
「おい、何で目を逸らすんだよ!こっちを見なきゃ手伝えねぇだろうが!それとも見ないで俺の着替えを手伝えたりすんのか?すげぇ技を持ってるんだなぁ?」
すかさず俺が怒鳴りつければ、クレールは深く頭を下げた。
「…いえ、そのような事はできません…」
そりゃそうだろうな。できます、と言われていたらブチ切れていたところだ。
俺はクレールの胸ぐらを掴み、自分の方に引き寄せる。
「なら、ちゃんと見ろよ。お前が手伝うって言い出したんだろ!?俺を見ろ、俺の裸をじっくりとなぁ!!」
「は、はい、申し訳ございません…っ」
クレールから手を離すと、怯えた様子のクレールは背筋を伸ばし、じっと俺を凝視した。
俺の中でこいつの印象がだいぶ変わってきた。クレールは、昨日から色々な表情を見せてくれる。
ロボットクレールは卒業したらしい。実に良い傾向だ。俺は嬉しいぞ。
しかしクレールに手伝う様子は無く、俺をただただ見つめているだけだ。
顔を赤くしているその姿は、とても可愛らしい。
だが俺は優しくない、どんどん追い詰めてやる。
俺はニヤリ、と口角を上げながらクレールに視線を合わせた。
「何をしてるんだ?早く脱がせろよ」
俺の言葉にクレールは目を見開き、顎に手を添え、動揺している。
フッ…ふはは、面白い!
「わ、私が…で、ございます…か?」
「他に誰がいるんだ?…別に、俺はいいんだぞ?お前ができないっていうなら、他の奴に頼むだけだからな」
「…いえ、できます…」
「ん?声が小さくて聞こえねーなぁ」
「で…できますっ!!私に、やらせて下さいいいっ!!」
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