言葉という規制と指令という禁句

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斎藤と神袖は川崎を追った。 二人は川崎と同じ通路に出ず、川崎が曲がった所で神袖の能力を使って川崎を追った。 「神袖先輩、場所の把握をお願いします。」 「分かってる。その代わり君も自分の出来ることはしろよ。」 「はい。」 二人はゆっくりとだが着実に川崎との距離をじわじわと詰めていく。 しばらく歩いた所で神袖は立ち止まり、壁にもたれかかる。 斎藤は眉をひそめる。 「どうしたんですか?」 斎藤は鞄からノートパソコンを取り出し、電源を入れる。 「何も言わずこの画面を見ろ。」 斎藤は神袖のパソコン画面を見る。 『左から川崎が来るぞ~(汗)!一周して来たみたいだYo(^O^)!そのまま動かず見ていてちょ』 斎藤は二重の意味で寒気がした。 斎藤は左を見る。 神袖の言うとおり、川崎が左から歩いてきた。 斎藤は目を合わせないように神袖のパソコンに目を落とす。 川崎は斎藤達とすれ違う瞬間、イヤホンを取る。 「これ以上追う様なら私もそれなりの事はするつもりだけど、どうする?」 川崎は斎藤の返事を待つことなく歩き去った。 神袖はパソコンのキーを打つ。 『尾行失敗!シクシク(T_T)』 斎藤は溜め息をつく。 「神袖先輩、キャラありすぎで、もう少し言えば古いです。」 「君はは笠松先生に報告して来い。俺は尾行せずに直接彼女を追う。」 「なら俺も手伝いますよ。」 神袖はパソコンを閉じ、鞄に入れる。 「じゃあ行くぞ。ただ俺は人と話すのが好きじゃない。そこは頼む。」 「了解です。」 二人は川崎に急接近した。
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