去。

3/11
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
人の醜い部分を知っているだけに詩織の純粋さに気付き、惹かれたのだと推察する。 シロウはクロウと同じく人の醜い所を知っていて、分け切った考え方をしている。 泰を気に入っているのが分かる。 泰はシロウを気にしている。 発展するには何かの切っ掛けが必要か?と思う―――けれど、後押しなどする気はない。 兵悟が驚いたのは、シロウとクロウが店の隣に建つマンション上階、2フロアーを買ったと言ってきた時だ。 4日前に店を再開した。 詩織と泰の2人はあまり、非日常的な事があっても心には傷を負ってはいないように見える。 咄嗟に選んだ組み合わせが良かったのだ。 シロウと泰は話している時間は少ない。 それでも、泰を気遣うシロウの姿を見る。 ペアで動く程に密着性が増す。 兵悟もエディとの事を隠すつもりはない――エディの兵悟へのベタつきに隠しようがない――。 聞かれないだけだ。 シロクロにキスシーンを見られて、硬直させたことがあった。 『母親の浮気を目撃した感じです』 これには鉄拳制裁しておいたが、そう言われた。 シロウは時々、真面目な顔をして冗談を言うことがある。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!