*アンティークドール*

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ある月夜の晩だった。 仕事帰り、いつもの帰り道。 駅から近いアパートが、私の仮住まい。 女の一人歩きだから、と街灯が照らす明るい場所を選びながら歩いているときだった。 「あれ…新しいカフェかな…」 そこにひっそりと佇む、一軒のカフェ。 新しいようにも見え、しかし何十年もそこに存在していたかのように佇んでいる。 店先から覗く店内には、私が大好きなアンティーク調のテーブルや椅子たち。 棚に飾られているカップたちは美しく、かつ気品漂っている。 暗めの照明が、より一層雰囲気を醸し出していたのだ。
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