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あの日、6月1日から私の、立花亜理沙の歯車が今までと逆方向に回りはじめた。
6月1日
私はアリになりたい。
アリは弱くてちっぽけな存在
だけど人間はアリなんかより弱くてちっぽけだと思う。
友達はいる。家族もいる。
けど、私は誰からも必要とされてない。
誰かにあわせて笑う、人の目をみて生きる、
そんな日々が息苦しくて疲れた。
アリならきっと楽だと思う。
自分より弱い者をいじめて優越感をえる醜い人間よりよっぽどましだ。
それをただ見ているだけの人間よりも。
私はちっぽけな人間だから…
今日、久しぶりに学校へ行った
友達とは毎日のように会ってる。
ただ、学校に行くのがめんどい
私の隣は知らない奴が座っていた。
きくと転校生らしい。
名前は、新井 斗夜。
そいつは私に
『俺、新井斗夜。
斗夜ってよんで!よろしく!』
と、爽やかな笑顔で話しかけてきた
私は興味なさそうに
「立花亜理沙」
とだけ言うと窓に目をうつした。
斗夜はその後もなにか言っていたが、私は聞こえないふりをした。
気づくと斗夜はクラスの中心のような存在で、私とは無縁の奴だと思った。
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