#002

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特にその紙にはそれしか書いてなく、さっさとそれを捨ててしまった。 特に何もすることがなく…2分後くらいに田邊が白衣に着替え、教室に入ってきた。 「はい…授業始めるぞ」 そのダルそうな表情は本当に先生か?と疑うくらいのものだった。 ドカッと椅子に座り、足を組んだ田邊は、ゆっくり一人ずつ名前を言い点呼をとる。 僕の名前も呼ばれ、一応「はい」とだけは言っておいた。 夏の暑さが感じられてきた教室は熱気に包まれている。蒸し釜状態だ。今からこんなのだと、先が思いやられる。 さすがに僕も暑さで頭がまわらず、ペンを置いてしまった。黒板写すきにもならない。 周りの皆も、窓側に近い席からダウンしていく。その状態はまるで魔のドミノ倒しのような感じだった。暑さでドミノ倒しとは…その発想はでてこないな。 もちろんやる気はしないけど。
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