人格談話

#002

頭がいいとかは関係ないよ…とただそう言った。尊敬するよ。一度はそういうことを言ってみたいものだ。

季節は夏の始め。これから暑くなっていくであろう境目。アスファルトの熱がじわじわと足に伝わってくる。

背中なんて汗でびしょびしょだろう。これからもっと暑くなるなんて……

正直最悪だ。
一番嫌いな季節だな。

暑さのせいで頭が締め付けられるようにキリキリと痛い。
せっかく今日は早く起きれて気分がいいというのに。冬がいいな。

冬ほどいい季節はないんじゃないか？着込めば寒くないし、頭も痛くならない。

「冬がいいな…」とふと呟くと、朱音が……
「冬があるから夏があるのよ。この２つがそれぞれバランスをとってるからこそこの世界が成り立ってるの」

はあ……つくづく隙がないというか、火の打ち所がないというか……。