#002

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ライトノベルとかで、生徒会の話とかあったりするらしいけど…あんな和気藹々のような楽しいムードとはかけ離れてるのがうちの高校だ。 みんな勉強熱心。もちろん僕を含めて一部はだらだらしている。 そしてその一部は毎週土曜日に補習を受けなければいけないのだ。 僕は、下駄箱に靴をいれ上履きに履き替えゆっくりと階段を上がる。 「おい」 後ろから声を掛けられた。もう誰が話し掛けたかなんてわかりきってる。 後ろを向くと、担任の田邊がいた。 「シャツ出てるぞ…だらしがないな」 「ああ…朝早くおきたから、着替えてもう一度寝たんだった」 「そこは、寝ないものだろ」 そういってこの人は苦笑いした。 「ところで俺がお前を引き留めた理由…わかるよな?シャツだけじゃないぜ」 そんなことわかりきってる。どうせ… 「補習のことだろ?先週行きそびれたしな」 この人はゆっくりと手を僕の肩にのせてきた。そして顔を近づけてこう言った。 「あんまり、補習サボるなよ?ここの学校そういうところ厳しいからな」 「ご忠告ありがとう。まあなるべくいくようにはするよ」 「俺の立場も考えろよ日向。お前だけを贔屓なんてしないが、一応全員卒業が目標なんだからさあ」 そろそろ限界だぞ…とそう言い、この話は終わった。
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