妖怪と少女

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縁は一度結ばれてしまえば、腐ってもなお朽ちないもの。  あれから別れて、文は今まで会った人間のことを思い出す。だが、阿弥の様な人間はいなかった。  だから、興味は継続した。  まだあの娘と話をしたいと思えていた。  阿弥もまた、自分に話し掛けてきたあの妖怪にもう一度会って、もっと詳しいことを聞きたいと思っていた。  お互いにそう思っていれば、引き合うのも道理であった。 「……あら?」 「……おや?」  何故か二人は、里の茶屋で再会した。  ネタ探しに人に化けて散歩をしていた文と、お団子食べたくなって散歩をしていた阿弥が、丁度同じ茶屋の椅子に腰を下ろしたのであった。 「此の間ぶりですね、偶然て恐いです」 「何か縁あったみたいですね。吃驚ですよ。こんにちは、文」 「呼び捨てだし。ま、いいでしょう。こんにちは、阿弥」  一日来の友人は、なかなか馴れ馴れしいものであった。 「ところで、妖怪がふらふらと里に来ていいんですか?」 「大声で言わない、馬鹿」  低い声で嗜めるように文は言う。
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