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「久しぶりだね。元気そうで良かった。」 本当は30分も前に待ち合わせ場所に着いたけど、身なりを整えていたらあっという間だった。 約3年の間に、美馬さんは一層素敵になっていた。 「お久しぶりです。」 それしか返せない自分に嫌気が差す。 散々、皐月と話したのに生かせそうになくて心配だ。 「とりあえず、お店行こうか。」 「はい。」 前は繋いでくれた手は、遠い。 2歩先を歩く彼の背中が、こんなにも近いのに遠くて、寂しくなった。 「美馬さん。」 赤になった信号で、やっと隣に並んだ私は、遥か上にある彼の瞳を真っ直ぐ見上げた。 私が恋に落ちた瞳。 3年経っても、相変わらず私を吸い込もうとする。 「ん?」 「手……繋いでもいいですか?」 柔らかく微笑んだ彼の指先が返事なく触れて、少しずつ体温が手を覆ってくる。 「もう触れたらダメなのかと思ってたよ。」 きゅっと込められた力が、懐かしくて愛しくて、やっぱり私は美馬さんのことが大好きなんだと、本人を前にして改めて感じた。
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