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「美馬さん……っ、涼さんは。」 「…はい。」 言い直した私のことを見て、唇から白い歯が覗いた。 「お休みの日は、何をされているんですか?」 「専らドライブか、映画を観たり……あとは買い物かな。」 海に視線を向けながら、恐らく休日の記憶を辿っている表情をしていて。 私にとっては、少しでも美馬さんのことを知る材料を掻き集めるのに必死な時間だ。 「ドライブがお好きなんですね。」 「車が好きなので。明奈さんは?」 「私は免許を持っていないので、ドライブは車を持っている人とじゃないと行けないんです。」 「でも、ドライブは好き?」 「はい。楽しいですよね、お天気にそこまで左右されることなく、どこにでも行けるからワクワクします。」 「じゃあ……また今度ドライブしませんか?」 突然の約束の言葉に、テンポ良く続いていた会話のリズムを乱してしまう。 「こんな感じのデートで嫌じゃなければ、また会いませんか?」 返事の言葉を探すけど、可愛らしいフレーズが浮かばなくて。 「はい。楽しみにしてます。」 って、ありきたりな言葉しか出てこなかった。
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