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日が傾いて、暖かさが感じにくくなってきた時間。 もう少しで、今日のデートは終わってしまうと予感して、もっと一緒にいられたらいいのに…と思ってしまう。 また今度って約束はしているけれど、今日のこの時間が終わってしまうことが、どうしても寂しい。 「帰りは、ご自宅の前までお送りしますね。」 「ありがとうございます。」 時間が経てば、少しくらいは慣れるかと思っていたのに、全くその様子を見せない私の恋心。 「やっぱり、いきなり砕けろと言われても、そう簡単には変えられないですよね、話し方。」 「あ…ごめんなさい。」 「いや、結局僕もこんな調子だから、気にしないで。」 恋の始まりというか、まだ親しくなり始めた2人だからというか、曖昧な距離みたいなものがある。 ハッキリと、まるで目に見えるほどに。 「ドライブ、楽しみにしてます。次のご都合が分かったら教えてくださいね。」 「はい。涼さん…は、基本的に週末がお休みでしたよね。」 「そうですね。でも、なるべく合わせますよ。明奈さんに。」 期待してしまう言葉が、私の中に、また放り込まれて。 それをどう処理したらいいのか、焦ってしまう。 「連絡、しますね。」 「はい。」 待ち合わせをした駅前を通り過ぎた。 まだ日が高かった時間は、駆け出してしまいそうなほどの気持ちで歩いた道が、今は名残惜しさで埋め尽くされている。 「ありがとうございました。帰り、気を付けてくださいね。」 シートベルトのロックを外して、忘れ物がないか確認して。 「こちらこそ。」 鮮やかで深い綺麗なブルーが遠くなっていった。
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