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『なぁ、知ってるか?明日の昼過ぎに、東京タワーをよじ登ろうとする馬鹿が現れて騒ぎになるぜ。
しかもそいつ、終いにゃ足踏み外して死んじまいやがんの。即死だとさ。馬鹿のすることは判らん^^;』
『それが予言?』
『おう』
東京タワーをよじ登る?転落して即死?馬鹿な。冗談もいい加減にしろ。
しかし、信じられないと決め付けつつも、私の頭の中は完全に混乱しきっていた。
私は念の為、こう書き込んだ。
『それはあんたが仕向けた事じゃないの?』
すると、すぐに返事があった。
『バーローwwwww俺ぁ予言能力はあっても人にそんな馬鹿さす力はねーよwwwww』
『ふざけないで真面目に答えてよ』
私はすぐにまた書き込む。こんなふざけたような書き込みで信じられるわけがない。
すると、すぐにまた返事が書かれた。
『ふざけてねーよ。俺だって予言して驚いてんだ。明日東京の方パニックになんぞ。
まぁ、おまいは埼玉だから電車で野次馬しに行かなきゃ問題ないか』
「……」
私はただ黙る事しかできなかった。
今、こいつは私が住んでいる場所を、埼玉だと的確に当ててきた。
だがそれは、こいつが私の家を見張るストーカーであれば何の不思議もない。
まぁいい。まずはこの場は引いてやる事にしよう。
なにはともあれ、とにかく明日にならないことには真実はわからない。
私は、更新ボタンはあえて押さず、そのままパソコンの電源を切って眠りについた。
頭の中でずっと、今日のことが現実にならないで欲しいという願いが渦を巻いたまま……
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