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「ただいまぁ~……真澄ぃ~……風邪薬と水持ってきてぇ~……」
そう言われた瞬間、私はぎょっとした。
『おまいの母親は風邪で』
まさか、そんな……馬鹿らしい。そんな事あってたまるか。
「真澄ぃ~?早くぅ~……お母さん熱出しちゃったのよ。39.2℃だって。信じらんないわぁ」
ぞくっ……
まただ。また当たった。
けれど、そんなもの、ただ偶然が重なっただけだ。予言なんてそんな……
そう思いつつ、私は玄関にいる母に風邪薬と水を持っていった。
「ありがとう。多分職場の人の風邪を貰っちゃったのかもしれないわね」
「この時期の風邪は色々大変だし、早く直さなきゃね」
私はガラにもなくそんな事を言った。きっとさっきの暇人の事を忘れたいからに違いないのだろうが……
「そうねぇ。ごめんね真澄」
「ううん」
「そうだわ。ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら」
「なに?」
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