1

2/24
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/208ページ
金ヶ崎  かつて第六天魔王・織田信長が朝倉・浅井同盟軍に敗北を喫した地。その地が再び血に染まっていた。  「貴方のお陰で、私は再び生を実感することが出来ます。感謝いたします。どうか安らかに。」 長髪で白髪、鎌状の錫杖を持った男が、倒れている黒髪の女性に向かって、仮面で覆われた口からそう放った。 すると、その男は小声で静かに囁き始めた。その男の周りでは、足軽や武将たちがこの状況を見ていた。  「天海さま、お市さんを仲間にするんじゃなかったの!?」 お市。 今は亡き織田信長の妹。浅井家滅亡後は織田家に連れ戻され、戦へと駆り出される日々を送っていたが、本能寺の変が起こり、戦火を逃れたった一人生き残る。しかし、浅井・朝倉軍の残党によって織田残党軍の総大将、第五天魔王・お市として祀り上げられていた。
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!