プロローグは昼食の前で

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相対的に見て俺は、ファンタジーとか、ラノベとか、割と読んでる方ではある。 フィクションを現実に重ねて、ため息をつくのが癖のようなものだ。 ありきたりな日常に、図らずも飽きているという状況なわけだが、逆に言えば、ファンタジーはフィクションだからこそ傍観して安堵していられるのだろう。 火の玉が飛び交ったり、市街地がバトルフィールドになったりすることが日常茶飯事だったら、そんな本の需要は無いだろう。 フィクションからドキュメンタリーに変わるからな。 そんなことより、目の前の状況だ。 今俺がいるのは、ごく一般的な青春を熟すべき場所『高校』だ。 まあ高校と言っても設備や治安によってピンキリだが、我が家には設備の良いおぼっちゃま高校に通わせる経済力はないということで、オーソドックスな県立高校に通っている。 染髪可で、装飾品も度を過ぎなければ許される、悪くはない所だろう。 かと言って俺は髪なんか染めないし、装飾品は黒縁眼鏡だけだがな。
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