プロローグは昼食の前で

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いつ、どこでに問題はない。 忘れ物というベタなきっかけがフラグを立てているような気がするが、そのあたりのファンタジー要素は差し引いてみれば全くと言っていいほど無問題だ。 アブノーマルという名の警告信号は、『誰と』という点にある。 『誰と』の対象は、1年5組のわりと可愛い女子だ。 今は6月の中旬で俺も女子も1年生、ついでに俺は3組ということも相まって名前を把握していない。 それはお互い様であるはずで、向こうも俺のことを知らないはずだ。 なぜなら彼女の丸い大きな目が、更に丸くなっているからだ。 だがしかし、問題はそこではない。 『化学実験室』で『昼休み』に『可愛い女の子』に会っただけなら唯のラブコメだ。 今頭の中を埋め尽くしているのは、ハートマークや桃色などとは程遠いものなのだ。
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