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「雅…これ…」
原稿用紙を覗き込んでいた稔は驚きの声を上げ、雅に視線を向ける。
「みーちゃん。これ本気??」
葵も稔と同じように驚いた声を上げる。
しかし、葵と稔の違いは葵の声には驚きの中にも確かな喜色を感じることだろう。
「俺は、生徒会長として生徒たちに選ばれたわけではないからな…せめて…」
「“認められる”ように??」
葵は、雅の言葉に真剣な瞳を雅に向ける。
「それが俺のやるべき最低限のことだろう??」
雅は、葵の視線を真っ向から受け、真剣にそして力強くそう言った。
形は疑問でありながらもその言葉は問いではなくただの確認。
確かに感じる威圧感は正しく民衆を率いていく王のそれ。
「みーちゃんが決めたことならボクは手伝うよ~♪」
葵は、そんな雅に嬉しそうに顔を綻ばせて微笑んだ。
しかし、稔だけは嬉しそうに微笑む葵の笑顔に一瞬だけ妖艶な小悪魔な笑みが混じったことに気がついた。
だからと言って、どうする気もない。
稔も雅の決定に否やを唱える気は毛頭ないし、葵と同じく雅の決めたことならば例えどんなことにでも協力を惜しむ気はないからである。
「それじゃ、雅。早速最後の仕上げと行こうか」
稔は、楽しげに葵と会話を交わす雅に優しく微笑みかけながらそう言った。
その顔は至って楽しそうである。
「最後の仕上げ??」
雅は、稔の言葉の真意が分からずに思わず怪訝な顔をする。
「みーちゃん。心配しなくてもボクたちに任せておけば大丈夫だよ!!完璧な会長さまを作り上げて見せるからね!!!」
葵は、頭の上に疑問符を浮かべる雅に大して満面の笑みで楽しそうにそう言い切った。
「…完璧な生徒会長を…“作り上げる”??」
雅は、自信に溢れ楽しげに笑う葵たちの真意が計り切れずに首を傾げることしかできなかった。
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