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ガシャーン
「きゃあっ。」
食器が割れる音と共に、可愛らしい声が聞こえた。
「大丈夫?」
可愛らしい声の正体は、18歳のバイトの子。
名前は、永迫 梨夏。明るめの肩までの髪を耳にかけ直しながら、料理長に謝った。
「すみません、料理が…。」
「いいよいいよ。怪我ないなら良かった。」
そう優しく言った料理長は、35歳の栗栖 秀憲さん。しっかり眉毛は整えられて、小麦色の肌に白い歯が覗いた。
「あ、永迫さん、よかったらこれ使う?」
私は予備で持っていたシュシュを渡した。
飲食店だもん、髪の毛は纏めとかなきゃね。
「あっ、すみません、借ります。」
永迫さんは、ほんわか笑ってシュシュを受け取った。それを確認し、割れた食器と落ちてしまった料理を片付けた。
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