君は僕のもの

犯罪者の子供

「『言葉の暴力』だ。

真実を知らない奴が、噂を信じて言葉で他者を卑下する。

こんな事許されるべきじゃないし、許すなよ！」

静香はクラスメイト達を睨み付けた。

彼等はその眼力に怯みジリジリと後退る。

そんな騒ぎを聞き付け、クラスの担任が駆け込んできた。

「何事だ!?」

先生は、怒りに満ちた静香とそれを押さえる僕の姿を見るなり、信じられないセリフを紡いだ。

「騒ぎの原因はやはりお前か!?藤堂！」

確かに切っ掛けは僕だ。

でも、僕は静香を止めていただけだ。

それなのに先生は、『やっぱり』と言った。

僕を心配してではなく、『僕ならやりかねない』 という意味だという事は、その表情で判断出来た。