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そういう事か……先生もまた僕の父さんを疑い、その子供である僕も問題児だと認識しているのだ。
「先生、『やはり』とはどういう意味ですか?」
僕がショックを受けたその言葉を静香は聞き逃さなかった。
クラスメイトに向けていた視線を今度は担任に向けて、彼に掴みかかった。
「公平な立場であるべき教師が、苦しむ生徒を更に追い込むのですか!?」
「静香!もういい。僕が世間を嘗めていたから悪いんだ!
僕が学校へ行かなきゃすむのだからもう、止めてくれ!」
僕も冷静ではいられなかった。
日本語で話す事を忘れて、つい英語で話してしまった。
静香は僕のその気持ちを理解したのだろう。
彼女の顔には苦痛で今にも泣き出しそうに歪んでいた。
「君のような生徒がこのような行動をするのは彼が原因ではないのか?」
担任が冷たい表情で言い放つ。
静香はまた怒りを露にし、遂に担任を殴ってしまった。
担任は殴られた顎を押さえながら、「保護者に報告する!」と叫ぶように言い捨て、教室を出ていった。
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