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僕がそう決意してる間もあやめさんは会話を続けた。
そして、いきなり席を立つと、静香と僕の手を引いた。
「二人共、行きましょう」
「え!?ちょっ、あやめちゃん。話はまだ終わってないぞ!?」
慌てて訴える静香にあやめさんは首を振った。
「話をしても無駄よ。これから教育委員会に行きましょう。
理由は、一生徒に対する精神的傷を負わせた教師の処遇を求めたいから」
「いえ、あやめさん。無駄です。僕は構いませんから」
驚く静香をそのままに、僕は「自分は大丈夫」と訴えたが、あやめさんは寧ろ僕に叱りつけた。
「大丈夫なものですか!
馨君。いいこと?こういう事はキチンとしないとダメなの。
もし、教育委員会がダメなら裁判という手があるわ。
ほら、こんな所に長居は無用よ。行くわよ」
「御母様お待ちください!」
担任に呼び止められて、あやめさんは冷たく彼を睨んだ。
「まだ、何か?」
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