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(相っ変わらずデカい家だな。)
と、ここに来る度に思わされる。
そりゃそうだろう【サラリーマンやってるオヤジが30年ローンで建てたウチの家】の20倍くらいの敷地面積がある。と以前ともよに聞いた。
「いらっしゃーい。」
ご令嬢のお出ましだ。
「こんにちわっ。」
「オス。」
「失礼します。」
「元気かー。」
挨拶にも性格出るなー。
「よー、ともよ。ケーキでも焼いてんのか?」
エプロンを着ているともよに、だれもしなかった質問をぶつけてやった。
「うん♪さくらの大好きな、オレンジケーキ。」
「へぇ、そりゃ楽しみだ。」
ともよとは小さい頃から仲が良くって、コイツの作る菓子はホントに美味いんだよ。
「後でみんなで食べましょ。それより真紅が早く見せたい物があるってうるさいから、屋上に行ってみましょっか。」
「こんな熱い日に屋上なんかで何やってんの?」
光介から当然の質問。
「私もなんにも聞いてないわ。」
どーもあのチビすけはサプライズのつもりだったらしい。
しかしこの時の私は、ホントにサプライズをもらわされるとは、まったく思ってなかったね。
夏休みだったし私もふねけてたかもな。
まー、何を言っても後の祭りだ。
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