はじまり

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「熱ぃ…。」 『うだるような熱さと、断末魔にも似たセミの叫びは、夏休みの学生にとって快眠の妨げ以外の何物でもなく、ようするに秋人は目が覚めた。』 今日は部活も休みでやる事もねーし、3度寝の結果が、空高く登るお天道様かよ。 髪をクシャクシャと掻きながらリビング向かった時だったよ。 「あれっ!?」 妹の夏希が心底驚いた顔つきでこっちを見てやがる。 歯ブラシくわえたたままじゃねーか。 「なんだよ。」 とりあえず悪態をつくと、 「今日明日はお兄ちゃんがお休みだから、みんなで真くん家にお泊まりしに行く約束だったじゃないっ。」 「そーだけどよ、なんで今からそんな慌ててんだよ。」 「真くんが面白い物見つけたからってお昼から集まる事に」 「初耳だ、そんなの。」 切って捨ててやった。 「だいたい面白い物ってなんだよ。相変わらずよくわからん奴だな。」 「いいからっ。15分待ってあげるから早く準備してきてっ。」 短いな、とか思いつつなんやかんやでしっかり行動してしまうのは、家にいても退屈なだけだからな。 んなこったで、何をするかも知らんまま、待ち合わせ場所のコンビニに向かった。 なぜか自転車二人乗り、こぐのは俺だよ。
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