2人が本棚に入れています
本棚に追加
「熱ぃ…。」
『うだるような熱さと、断末魔にも似たセミの叫びは、夏休みの学生にとって快眠の妨げ以外の何物でもなく、ようするに秋人は目が覚めた。』
今日は部活も休みでやる事もねーし、3度寝の結果が、空高く登るお天道様かよ。
髪をクシャクシャと掻きながらリビング向かった時だったよ。
「あれっ!?」
妹の夏希が心底驚いた顔つきでこっちを見てやがる。
歯ブラシくわえたたままじゃねーか。
「なんだよ。」
とりあえず悪態をつくと、
「今日明日はお兄ちゃんがお休みだから、みんなで真くん家にお泊まりしに行く約束だったじゃないっ。」
「そーだけどよ、なんで今からそんな慌ててんだよ。」
「真くんが面白い物見つけたからってお昼から集まる事に」
「初耳だ、そんなの。」
切って捨ててやった。
「だいたい面白い物ってなんだよ。相変わらずよくわからん奴だな。」
「いいからっ。15分待ってあげるから早く準備してきてっ。」
短いな、とか思いつつなんやかんやでしっかり行動してしまうのは、家にいても退屈なだけだからな。
んなこったで、何をするかも知らんまま、待ち合わせ場所のコンビニに向かった。
なぜか自転車二人乗り、こぐのは俺だよ。
最初のコメントを投稿しよう!