去年、一番

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冗談だろ。 そう思ったのにそれは冗談にはならない。 今年の夏、偶然、流れた天気予報のコーナーでそれを知った時の自分の動揺を思い出して、 「………そうだな」 俺は自分がまだ、あの去年一番寒いと感じた夜の闇から抜け出せていない事を知る。 彼女が呟いた、白く籠もった俺の名前が頭の奥でくすぶっている。
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