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「蘭(らん)大変よ!」
「何よー。今ちょうどいいところなんだけど?」
西日が心地よく差す中、自室で優雅なひと時を過ごしている私に時間をぶち壊す大きな音で2階建ての家の階段をドタバタと駆け下りてくる双子の妹、藺(りん)。
「いいところって使い方違うから!教科書を読んでいいところっておかしいから!しかもそれ数学の教科書だよね?せめて現代文の教科書でそう言って欲しかったな。」
「激しい突っ込みと微妙にメンドクサイ要求やめてくれる?」
「突っ込みどころ満載な蘭の言葉に訂正入れないと碧(あおい)が間違って覚えるでしょ!」
「碧今いないし。」
「そーゆうのは日頃の行いが大切なのよ。っていうか大変なの!ヤバイのよ!」
「なによさっきから。言ってみなさいよ。聞いてやろうじゃない。」
「なんでそんな偉そうなのよ…。まぁいいわ。聞いて驚きなさい。なんとお父さんが…再婚するんだって!」
へぇー…。
・・・。
・・・。
・・・。
「…だから?」
「だから?って驚かないの?相手気にならないの?」
「うん。だってあのオッサンが何をしようと私には関係ないもん。私たちに被害を出さなければなんの問題もない。」
「うわっ酷い言われよう。親父さんがかわいそうに思えてきた。」
冷静に自分の意見を述べるのは窪木蓮(くぼきれん)。
「だって興味ないし。」
「お前はむかしっからそーいう奴だよな。」
諦めたように蓮が言う。
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