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「ねぇ、ねぇ、相手の人誰だと思う?」
キラキラと目を輝かせて聞いてくる藺。
「興味無い。」
教科書から目をそらすことなく即答する。
「もう、蘭つまんなーい。」
プクっと片方の頬を膨らませて顔をそむける藺。
「聞いたところでどーなるの?」
「それは…そうだけど。」
「まぁまぁ、あんま藺を虐めんなって。」
ニコニコ笑顔で藺の後ろから腕をまわしたのは藺の彼氏の窪木亮(くぼきりょう)。
「人の家でイチャツクなっ!」
亮を白い目で見るのは窪木理玖(くぼきりく)。
蓮、亮、理玖は苗字が一緒だが兄弟ではなく従兄弟。
まぁ、小さい頃から一緒の家に住んでるからほとんど兄弟みたいなもんだけどね。
「っていうか、皆いつの間に来てたの?」
何故か私の部屋に大集合しているこの3人。
まぁ、狭くはないからいいんだけどね、一応女の子の部屋だからね?
「ん?今。」
目が当然だろとでも言いたげな蓮。
「玄関開いてたし。」
ピースをしながら答える亮。
「無用心だなぁ。」
言葉とは裏腹に絶対そうは思ってない口ぶりの理玖。
「不法侵入しといて言うな。」
「鍵しといてくれた?」
「もちろん、しといたよ。」
私の突込みをスルーして藺のとぼけた質問に亮が答える。
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