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「そう言えば今日は碧の迎え行かなくていいのか?」
理玖が聞いてくる。
普段なら8つ年下の弟の碧を迎えがてら夕飯の買い物をしに行くのだが、生憎今日はもう昨日のうちに済ませてしまった。
と、いうのも今日はお迎えの必要がないから。
「あぁ、今日は学童クラブでキャンプ。」
ニッコリと愛想笑いで答える藺。
「えっ?今日いないの?」
碧がいないことにショックを受けてる理玖。
まぁ、普段から仲いいもんね。
3人の仲で一番懐かれてるし。
理玖が悲しみに浸っていると、
ピンポーン
インターホンの音が家に響く。
「誰だろ?こんな時間に。」
急いで玄関に向かい、ろくに相手を確認しないでドアを開ける。
「よ。久しぶり!」
勢いよく開けた玄関のドアの前には見覚えのある懐かしい姿の男。
「る、類(るい)!久しぶり!どうしたの?」
久々の再会に興奮気味に聞くと神妙な顔で逆に聞かれた。
「え?何も聞いてないの?」
ニコニコしながら話してた類の顔に困惑の色が広がる。
「え?何が?」
私も何のことだかさっぱり分からずその場で立ち尽くす。
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