幼なじみ、類?

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「で、なんの話?」 リビングに無駄に多く置いてあるソファーの一角にローテブルを移動してみんなが座ったところで藺がお茶を用意してくれたのでそれを一口飲んでから類に聞いた。 「えっと藺は聞いてるんじゃないのか?」 言いづらいのか少し目を泳がせて類が答える。 キョトンとした顔で類を見る藺。 「え?あ、もしかして再婚の話?」 類と私を交互に見てニコニコ笑顔でたずねてくる。 何がそんなに楽しいんだか…。 「まだ話してなかったのか?」 驚いた表情で類が藺に聞く。 「話そうとはしたんだけど、蘭が全然興味ないって言うからさー。」 悪びれた様子もなく飄々とした態度で答える藺。 えっ? 私のせいなの? 藺だって途中からイチャイチャしてたじゃん…。 でもまぁ、話は読めた。 「ちょっと認めたくない現実だけど、あのオッサンと類のお母さんが再婚するんでしょ?」 「さすが蘭!」 手をぱちぱち叩いて私を見る藺。 いや、フツーに分かるでしょ…。 「で、その再婚がどうかしたの?もしかして類は再婚反対なの?」 再婚話だけじゃ類が家に来る理由がない。 「いや、するなら勝手にどーぞって感じかな。そろそろ幸せになってほしいし。どーせ2人も反対はしてないんだろ?」 類の言葉に私は答える。 「当然でしょ。あの人が生涯を誰と一緒に過ごそうが私達になんの影響ももたらせないならどーぞお好きにって感じだし。どうせ碧だってあんなちゃんぽらんな父親と仲良く家族で過ごそうなんて期待してないわよ。もしかしたらお父さんっていう存在だと気づいてないかもね。」 「そんなわけないだろう。」 蓮が呆れたように口をはさむ。 「完全にないとは言い切れないよね。」 藺が真剣な顔で私に賛同する。 「藺まで俺たちを騙そうとするなんてタチが悪いぞ。」 亮が笑いながら言うが嘘ではない。 本当にその可能性はある。 だいたい碧が生まれてからアイツが家に帰ってきたことがあっただろうか? 私の記憶が正しければない。 ただの一度も…。 「嘘ならどれだけいいか…。」 私の呟きに全員が何も言えなくなったのは言うまでもないだろう…。
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