幼なじみ、類?

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そんな言い争いを無言で見つめる俺たち3人。 ギャーギャー騒ぐ藺と類。 それを放心状態で突っ立ってる蘭。 気のせいだろうか? 藺と蘭の性格が入れ替わっているように感じる。 あんなにSっ気全開な藺は見たことがない。 何の言葉を発することもできず、そこにはただ何とも言えぬ雰囲気が漂う。 そこに流れる微妙な空気を破ってくれた勇者は理玖だった。 「なぁ、今の話理解できた?」 いつもちゃらんぽらんな発言と行動としまりのない顔の理玖が久々キリっとした顔で言う。 「今、頑張って脳内変換中…。」 こめかみを手で押さえながらうーんと唸る亮。 まぁ、確かに 彼女の父親が再婚して いくら幼なじみと言えど 男とひとつ屋根の下はちょっと… いや、かなりの抵抗がある。 ひとつ屋根の下… そこで俺はハッとする。 と同時に理玖と目がバッチリ合う。 さっきまでの凛々しさはどこへやら、一瞬にして青ざめた理玖が冷や汗をかき始めた。 「おい、やばくねぇか蓮。」 だが、俺も他人事じゃねぇ。 手足がヒクヒク痙攣しそうだ。 「俺も今気付いたぜ、理玖。」 お互いの目をまっすぐ見て同時に口を開いた。 「「蘭が危ない!」」 小声ながらも 2人声を合わせて言った。
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