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やっぱりコイツも考えてることは同じらしい。
さすがにこの危機的状況は理玖というおバカさんでも分かってくれたみたいだ。
説明の手間が省けてよかった…よくねーよ!
誰にも言ってないが、実は俺と理玖はライバルだ。
勿論、恋のライバルだ。
中学2年の秋、いつものように3人中庭の芝生に寝っころがって
亮はゲーム、理玖は読書、俺は昼寝を授業に出ずに
堂々とサボっていたところを、当時の顧問の先生に見つかり、
怒られることもなく生徒会にスカウトされ、
抵抗むなしく生徒会室に強制連行。
だが、生徒会室には既に、この双子が居た。
それが俺たちのであった日だ。
俺たちの通う学校は一応私立でエスカレーター式だから生徒のほとんどが顔見知り。学年の半分ほどが名前まで一致する。
だが俺はこいつらを知らない。
見たことがない。
それもそのはず。
2人はその日転校してきたばかりだったから。
「アンタたち誰?」
この失礼極まりない発言が蘭の最初の一言だ。
亮は藺に一目惚れで即効アタックであっさり彼女をゲット。
俺と理玖は蘭に近づけたものの未だにお互いがお互いを邪魔してなかなか進展できないままだ。
お互いに告白をできないヘタレ仲間だ。
(そんな仲間ほしくないが…。)
だが、ここは1つ、手を組もうじゃないか。
まるで以心伝心しているかのようなタイミングで腕を組んでくる理玖。
今、俺も組もうと思ってたんだよ。
お互いギラギラと危ない目で頷いて
いまだに言い合いしている藺と類、相変わらず放心状態の蘭を見て3人に聞こえるように言った。
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