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「く、る、し、ぃ・・・」 あなたが悪いのよ。ほかの人のところにいくなんていうから。私以外の人のところにいくなんて許さない。あなたは私のものなんだから、ほかの人のところに行かせるくらいなら、いっそ私の手の中で壊れてしまえばいいの。 「や・・・・・・・・め・・・。」 寂しい思いなんてさせないから安心して。あなたを壊したら私もすぐに行くから待ってて頂戴。あなたは私がいないとダメだものね。また一緒にいましょう。 「ゃ・・・・・・・・・・・・・・・。」 力の抜けたあなたの体を私は抱きしめる。これであなたは完全に私のもの。他のだれにも渡さない。 これで、これで―――――――――――――――――――――――――――――――――――― あなたの体を抱いたまま、屋上への階段を上る。フェンスを超え下を覗くと、あの桜が咲き乱れている。まるで私とあなたを歓迎してるように。   あなたを力いっぱい抱きしめて、屋上の床を蹴って飛ぶ。 さあ行きましょう。私とあなただけの世界へ。
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