花火少女

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「浴衣、作ろうか?」 隣に居る年期が入ったちょっとボロボロの浴衣を着た少女に言った 「え…いいの?」 間抜け顔の少女に少年は頷く 「ほら、昨日貰ったヘアピンのお礼に… さ?」 苦笑いを顔に浮かべ、頬を掻く仕草をす る少年 「やった!それじゃ、花火柄が良いな! 」 嬉しそうに笑う少女を見、自然と頬を緩ます少年 「うん、来年の花火大会までには作るよ !」 そう言って、指切りをする二人 それが去年の花火大会にして、少女にとって生前最後の花火大会となった… そして、今年の花火大会前夜 少女は水死体となり見つかった 通報者であるお巡りさんは、花火大会前 夜、不良がイタズラしていないかパトロールしていた…… 見えにくい河辺に何か引っかかっているのを発見し、近くへ行くと少女の水死体 だったそうだ…… 少年はその事を知るや否、花火大会当日、自宅にて自殺しようとした 近くには携帯があり、新規メール画面が開いていて、何か書いてある様子 内容は「彼女に頼まれた浴衣を届ける」と記されていた
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