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辺りをキョロキョロ見回す男が雑踏の中に消えていった。
すこしそわそわしていて目に留まっていたがすぐに見失ってしまった。
「どうしたんだ優?」
「…あぁ、大丈夫だよ。なんでもない。」
僕はそのことを…言わずに元の活動に戻った。
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「いやぁ~、遊んだ遊んだ~♪」
夕焼けが街を染めるなか、徹は背伸びをしながらのんきに言った。
「のんきなもんだな。これも任務の一環だぞ?」
同じく上条も背伸びをしながら言った。
「いやいや、上条も人のこと言えないからね?」
「あたしの背伸びと松本の背伸びを一緒にするな。」
「どういう意味だよ!」
徹は少し憤慨し、上条は心外だと言わんばかりにそっぽを向いてしまう。
「うふふ、でも楽しかったです。ありがとうございました。」
そんな光景を見ながら楽しそうに笑う谷本さん。
こういうふうに少しずつなじんでいけたらと思う僕だった。 その時。。。
ズドオオオォォォンンン!!!!!!!
町全体を揺るがす振動が何かが倒壊する轟音と共に辺りを突き抜けた。
「!!!!!!!」
音がした方向を一斉に振り向く。そこからは土埃と黒煙が入り混じった煙がもくもくとたちあがっていた。
僕は反射的にその場所へ足を急がせた。
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現場は想像以上の惨状だった。
3階建てほどの建物の下層は大破し、そこから上空へ炎と黒煙がモクモクと上がっていた。
どうやら下の階で何らかの爆発があったようだ。
「何があったんだ?」
上条はその場に駆けつけていた救急部隊に問いかける。
「君たちは…院生か。今しがたこの建物で爆発があった。」
「被害状況は?怪我人は?他の救援はまだなのか?………。」
上条はてきぱきと情報収集を開始する。こんなとき時に現状を左右するのは情報だ、と言うのが上条の銘だ。
聞かれた隊員すらも呆気にとられるくらいの情報収集力だ。
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