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「それもそうだな♪それより、なんでこんな無茶をしたか教えてもらおうか。」
最初は笑っていたもののすぐに切り替えて事情を聞いてきた。この切り替えの速さは大したものだと思う。
と言うか知らないで付いて来たのか…。お前のほうがよっぽど無茶だよ。
「かすかにだけど、女の子の助けを求める声が聞こえたんだ。」
「よし分かった。その子を探せばいいんだな?んじゃ俺は上のほうを探してみる!!」
僕の言葉を聞くや否や、すぐに駆け出して炎の中へと消えて行った。
昔から”思い立ったらすぐ行動”で生きてきた徹は決断力と行動力だけは他人に劣らない。
でもそのせいでいつも手痛いしっぺ返しを食らってたっけ。
「うわああぁぁぁあああっ!!!!!」
と、昔のことを振り返っていると、上の窓から爆炎で吹き飛ばされた徹が叫び声をあげながら横の雑木林に突っ込んでいった。
「昔とそんなに変わってないな。」
駆けつけてやりたいが今は女の子を捜さなくては。まぁ、あれぐらいなら徹も無事だろう。…多分。
「今、窓から飛び出したバカは松本だよな??」
「えっ??」
いま、どこからか声がしたような…。
「なにボサっとしてんだ!お前の右ポケットにイヤホンとマイクが入ってるから早くつけろ。」
謎の声に従い右側のポケットを確認してみると、確かに見覚えはないがイヤホンと小型のピンマイクが入っていた。
さっきの声もこのマイクから聞こえていたらしい。
「つけたな?なら今の状況を確認するぞ?」
どこで見られているのかこっちの行動が筒抜けになっている。それにこの声…。
「まさか…、上条か?」
「今気付いたのか?いいからよく聞け。お前も聞こえたんだよな?子供の声が。」
「上条もか。あぁ、確かに助けてって。でも中を見る限り人が居られそうな空間はなさそうだ。」
「その建物の2階に火薬を格納していたフィルターのようなものがあるはずだ。居るならそこしかない。そこの角を曲がってすぐの3番目の扉だ。」
「了解!」
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