~デアイシモノ~

5/31

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「「っ!!?」」 僕と徹は顔を見合わせ、声のした方向に駆け出した。どうやらターミナルの端にある森かららしい。 森の中を駆けていくと、そこには禍々しいオーラを纏った”犬のような“ものとそれに襲われている少女がいた。 その“犬”は僕たちの気配に気づき、距離をとりこちらを警戒している。 少女は力なく横たわっていた。 「徹!!!あいつをひきつけて!!」 そういって僕は少女に駆け寄った。 呼吸、脈拍、共に正常。気を失ってるだけみたいだ。 そして徹が気を引いている”犬”に目をやる。 僕はポケットから連絡端末を取り出しボタンを押した。ボタンひとつで登録した人と連絡が取れる優れものだ。 「…ん~~??誰だ~?」 数コールした後、気だるそう声が聞こえてきた。 「勤務中なんですから寝ないでくださいよ、主任(チーフ)」 「その声は…相原か?どうした?」 「本題に入ります。巡回中に”ヤミガミ”と思われる生命体を確認。討伐に入りますので能力の使用許可を お願いします。」 「わかった。初実戦だからくれぐれもむちゃしないようにな。」 「了解。」 短いやり取りを終え、僕は腰に携えた長刀”冬桜”に手をかけた
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加