終わりと始まりの季節~卒業~

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バチリ、と音がしてテレビがつく。 「おはようございます!そしてこんにちは!」 リビングにあるテレビから元気の良いリポーターの声が響く。 「さぁ、ぽかぽかと陽気が気持ちいい3月14日! 全国“すべて”の公立学校で卒業式が行われています!!」 「ゔーん…」 何気に大音量だがお構いなしにソファで寝返りを打つ少し色の薄い黒髪の少女が一人。 それでもうるさいのか、頭に生えている“猫耳”はぴたりと閉じているが。 「ちなみに現在時刻は2時。 午前中のヒト校の方々はもう帰って来てますか? 午後中のヨウ校の方々、準備は大丈b『プツン』」 唐突に切れるテレビ。 いつの間にかリモコンは少女の“尻尾”に掴まれゆらゆらと揺れていた。 眠ったまんまだが…。 ガチャリ 「ただいま………あれ、まだ出発してないのですか…」
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