日常と非日常の境界

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キーンコーンカーンコーン…… 放課を知らせる音が、あらゆる場所にあるスピーカーから発せられると、俺の周りは電車の騒音にも匹敵するくらいに騒がしくなる。 だが、俺に近づいてくるものは誰もいない。 これが何時もの光景だ。 最近、変なオッサン達に絡まれてそれをのしたからってのもあるかもしれないが、他にも理由があるんだろうな。 いつものように、人がいなくなるまで待ってから帰るのもいいんだけどな。 今日は早めに帰るか。 学校の教材や持ってきている少し厚めの本を鞄に詰めて席を立つと、それを見計らってきたかのように教師が俺の前に立つ。 「おい、氷嵐。お前後で教務室まで来い」 それだけ言うと、その教師は足早に教室を出て行った。
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