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2111年1月1日
世界に凶報が伝えられた。
日本スペースガーディアン協会で働く青年は、眠気眼で残業を続けていた。
彼の仕事はほぼほぼ雑用であったが、その日は何故か隕石観測の役割を押し付けられていた。
「あー眠い」
大きな欠伸をしながら机に頬杖をつき、パソコンの画面を見つめる。
「隕石なんて落ちてきやしないっての。
…なーんでこんな仕事選んじゃったかねー」
つまらないと言いたげに、青年は伸びをして天井を見上げた。
「小さい頃は星が好きだったんだけど、今となっては別に…」
そう遠い目をしながら、青年は昔の記憶を辿っている。場所は田舎なのか、遥か彼方上空の暗闇の中に、満点の星空が映し出されている。
そんな中、幼い頃の青年と、同い年ぐらいの女の子がその満点の星空を見上げていた。
「由美、元気かなー」
ピピッ
そう決して大きくはない電子音がパソコンの方角から聞こえた青年は、ふとパソコンに目をやる。
パソコンの画面を凝視する青年の顔は、徐々に曇り始め、ついには青ざめるまでに到たった。
「おいおい、嘘だろ!?」
青年が椅子から勢いよく立ち上がった事により、椅子は音をたてて地面に転がる。
しばらくパ ソコンの画面から目を話せなかった青年は、思い出したように携帯に手をかけた。
「やばい…やばいって!なんでこんな時に!!!!
寄りによって俺しかいない時になんでこんな事起きんだよ!!!!!!!!」
電話帳を開いた青年は上司の名前を探すが、焦りからかなかなか画面をスクロールできない。
苛立ちながらも上司の名前を見つけた青年は電話をかける。
「も、もしもし!た、大変なんです!」
時を同じくして、一つの部屋の中では、慌てふためく部下の声を聞き、眉間に皺を寄せている中年の男がいた。
「良く聞き取れん!落ち着いて話せや!」
深夜に電話を寄こしてきた事を責めようと考えていた男ではあったが、何か只ならぬものを感じとり、話を聞く事に集中していた。
「な……なん、だと?」
時を同じくして、アメリカ宇宙工学開発班本部部長ミリアムス・シェイプは、こう口から漏らした。
「終わった」
と。
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