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その日、朝日がカーテンの隙間から漏れ、薄暗くなっている部屋のベッドの上にあるアラームがうるさく鳴り響き、俺は強制的に叩き起こされた。
「もう、朝か………」
朝っぱらから甲高いアラーム音が耳に響き、目が覚めちまった俺はベッドから起きあがると私服に着替え、荷物を持って部屋を出て階段を降りてリビングに入ると、実妹が食パンを食べながらこっちを振り向いた。
「あ、おはようお兄ちゃん」
「ん、ああ、おはようナナ。確か今日も学校だったよな?」
「うん あ~あ、良いよねお兄ちゃんは。学校卒業してその辺ほっつき歩けてさ~」
「あんまりいいもんじゃないぞ。正直いって暇ほど苦痛なものは無いね。 それと俺はぶらぶら遊んでいる訳じゃなくて、この世界のルールを変えるためにこうして色々と旅しながら調べてるのに………」
「ごめんごめん。 そうだったね。 頑張ってお兄ちゃん」
そういいながら微笑みながら話してくるナナは、俺がこの世界にきた数年後にこの世界に来て、しかも俺と同じ道を歩んできた。 見てくれは黄金色の長髪を編み赤いリボンで結んだ髪型にまっ白な肌と黄緑色のくりくりした瞳をもった端から見ても美少女といえるろう。
「ああ、それはそうとお前いま『存在数値』と『反響数値』はどのくらいだ?」
「えっと、『存在数値』が12000Pで『反響数値』が10000かな。それがどうかした………ああ、そういえばそろそろだもんね。えーと『リセット』だっけ? でもそれって本当にあるの?」
「一度あの地獄絵図を見たらどうにかそれだけでも終わらせたいと努力する人がいてもおかしくはないだろ?」
「でも、それかなり無茶苦茶な懸けだよ。もし失敗したらお兄ちゃんが消えちゃうかも知れないし」
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