【Revoiution編 第0章】

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 彼はこの【畢竟幻夢】と呼ばれている幻想世界での職業としてとても危険な職業を行っていた。 その職業はほかの職業と違い、彼に最初から運命付けられており、しかも普通の職業と違い、選択するタイプの職業ではなかった。  簡単に言えば、ほかのほとんどの幻想の住人の職業が自由選択型の職業なのに対して、彼の職業は既定型職業、もう少し詳しく言うとその者のみがもつ独自の職業。【畢竟幻夢】ではこれを職業と呼ばず既定して存在する独自の力として『オリジナルスキル』と呼ばれている。この力の持ち主は、幻想の住人全体の内約0.5%しかいない。  この『オリジナルスキル』はどうして既定して存在するのか。何故それがごくわずかの者達にしか発生しないのか。何故『オリジナル』の持ち手は全て、天才的な実力を発揮するのか、どうしてその『オリジナルスキル』以外に自由選択型の職業を選ぶことが出来るのか、それら全てが謎のままである。  しかも『オリジナルスキル』の存在はほとんど極秘の力になっており、それが実際に存在するかどうかを知っている者はほとんどいないし、その力の所有者もそのことを隠している。理由は簡単だ。その力は職業とは違い、本人の精神状態で力の強弱が決まることもある上に、他人に話したときにその情報が漏れ、この世界にもいる闇に引きずり込まれないようにするためである。  『オリジナルスキル』をもっている者はその力を実際に行使することはほとんど無い。   そんな力を持ているかも知れない彼もまた、そのことを誰にも教えなかった。  彼は道行く人の視線を気にせず、物凄い速さで走っている真っ最中だった。どんどん抜かしていく車の中から色んな人が目を丸くしてみていたが、そんなことに目もくれずたっだただ走っていた。  途中白い堅そうな円柱型の身体から白い細い両手と両脚の生えたロウソク型の生物(?)がいた。
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