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明5つ(午前8時)の鐘を聴きつつ。
[武田正五郎]は日本橋を闊歩していた。
その姿は、筋骨隆々としており、身の丈は6尺余りと周囲の町人とは頭ひとつ飛び抜けており、顔付きはくっきりした眉に鋭い目付きをしている。
着ている胴着は上下を濃紺で統一されており、左腰には打刀と脇差の2本差しである。
周りを見るとさすがは日本橋。様々な屋台が所狭しと幅を聞かせ、威勢の良いぼてふりが右へ左へ動き回っていた。
正五郎は日本橋の太鼓屋に、師からの用事で向かっている最中であった。
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